年々異常気象が多くなり、観測される数値は次々と記録を更新され続けていますが、相手が自然なだけにどうしようもないですよね。
日本は自然災害の多い国ですが、その中でも台風による影響をかなり受けているのではないでしょうか。
この記事では、台風の発生メカニズムと日本で台風が多い理由を解説していきます。
記事の内容
台風とは?
台風とは、熱帯の海の上で発生した低気圧のことです。
その低気圧のことを熱帯低気圧と呼びますが、熱帯低気圧のうち、最大風速(10分間平均)が、およそ17.2m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
ノットとは海里/時間(1852m/3600s)のことです。
1ノットは0.514m/sですので、34ノット×0.514≒17.2m/秒となります。
また、台風は上空の風に流されながら移動していきますが、地球は自転しているため、その影響から北へと向かう性質を持っています。
どうやって台風は発生するの?
台風の発生する条件
台風が発生するための条件には、太陽の熱エネルギーがないと発生しません。
また、台風の発生に欠かせない条件に、海面の温度が26度以上であり、日本の南海における南北の温度傾度が比較的小さいことです。
台風の発生メカニズム
一度、熱帯の海上で太陽の熱エネルギーによって海水が蒸発し、空気の渦が出来始めると、空気の渦の中心へと向かって、多くの水蒸気を含んだ空気が、まわりから集まり中心へと流れ込みます。
そして、台風の元となる上昇気流が生まれます。
上昇気流によって雲が作られ、雲はグングン高く成長していき、積乱雲にまで発達していきます。
雲が作られる過程で、水蒸気だった気体が水粒に変わっていくのですが、そのときに、かなり多くの熱を放出します。
放出された熱が、まわりの空気をもあたためて、さらに上昇気流を強めていきます。
上昇気流を作るサイクルを繰り返されていくうちに、小さかった空気の渦が大きな渦にまで発達していきます。
そして、この熱帯低気圧が威力を増して発達すると台風となります。
また、大陸が熱帯でも熱帯低気圧は作られません。
なぜなら、台風の元となるエネルギー源の熱帯低気圧を作り出すには、海から放出される膨大な水蒸気が必要不可欠だからです。
このようなメカニズムによって、台風は発生していくのですね。
なぜ日本では台風が多いの?
日本で台風が多い理由は、日本の地理的要因が大きく関係します。
日本の南東の海上では、台風の源となる熱帯低気圧がたくさん発生し、発達しやすい場所となっているので、発生した台風が上空の風に乗り日本へ到達します。
日本は台風大国
日本では夏の終わりにかけて、太平洋高気圧が弱まってくると、台風が日本列島に近づくことが多くなり、日本へ台風が上陸しやすくなるのです。
夏本番の時期は、この太平洋高気圧が強まり南から日本を覆っているので、台風が日本へやって来ても、太平洋高気圧によって台風が日本に近づけなく、上陸することができない状態になっています。
逆に冬の場合ですと、日本は冷たい空気で全体を覆われるので、台風は日本へ来るどころか近づけもしない状態になるのです。
台風は特定の時期だけ発生しているわけではなく、一年中発生しているのですが、日本では夏の終わりに太平洋高気圧が弱まるので、その頃に台風が来やすい状況になるため、太平洋高気圧が弱まった時期に、集中して台風が日本へ上陸します。
台風が多い時期
台風が多い時期は、8月の夏の終わりから10月の秋にかけて統計的にみて多いと言われています。
また、台風の特徴として夏に発生する台風はゆっくりと移動し、秋に発生する台風は移動する速度が早いと言われています。
台風の番号の付け方とは?
台風の番号は年が変わるごと1月1日以降、一番最初に発生した台風を第1号とし、以後台風が発生した順番に気象庁が番号をつけています。
一度発生し威力を増した台風が衰えて「熱帯低気圧」に戻った後で、再び発達して台風になった場合には同じ番号を付けます。
なぜ台風は発生するの?発生メカニズムと日本で台風が多い理由とは?のまとめ
台風が発生するメカニズムや日本で台風が多い理由について参考になりましたでしょうか?
近年、台風の影響だけでなく異常気象により、天候が荒れて各地域で膨大な被害が相次いでいます。
季節外れの台風もありますが、日本にいる以上は、台風を避けることは難しいので、いつ来てもいいように備えは十分にしておきたいですね。