今年も早いもので、もう3月を迎えようとしており、イベントや行事が多い時期でもあり、3月の代表的な行事の一つにひな祭りがありますよね。
いざ雛人形を飾ろうと思った時に飾り方がわからないと困ってしまいますし、実際に雛人形の飾り方があるのをご存知でしょうか?
この記事では、雛人形の飾り方について解説していきます。
記事の内容
雛人形の飾り方
ひな壇の一段目(最上段)は、男雛のお内裏様(おだいりさま)と女雛のお雛様(おひなさま)を並べて飾ります。
その際には、お内裏様を右か左のどちらに置くかが地域によって変わり、関東地方と関西地方では左右の並べ方が逆になります。
関西地方(京風)の雛人形の飾り方:公家パターン
関西地方(京風)の雛人形の飾り方は、お内裏様を向かって右側に並べ飾ります。
その理由には諸説ありますが、以下の2つが考えられます↓↓↓
- 御所での天子(天皇)の玉座(ぎょくざ:天皇が座る席)の位置が左だったため。
- 右よりも左の方が格式が高いという、日本古くからの考え方である左上座(さじょうざ)からきているため。
ちなみに、左上座とはお内裏様側に立って左側のことなので、正面向かって右側がお内裏様になります。
関東地方の雛人形の飾り方:武家パターン
関東地方の雛人形の飾り方は、お内裏様を向かって左側に並べ飾ります。
普段からよく見る雛人形の並びは、この関東地方での雛人形の飾り方になります。
日本古来の左上座という考え方があるのに対して、なぜ関東地方のお内裏様は正面向かって左側に飾られているのか、その理由には諸説あり、以下の3つが考えられます↓↓↓
- 武家社会の関東地方では右上位(うじょうい)という考え方があり、等級や身分などによって座る順番が決まっていたため。
- 大正天皇がご即位の際に、西洋スタイルにならって、皇后陛下の右側に立たれたため。
- 文明開化後から、日本にも西洋の文化が入ってきたことが影響しているため。
ちなみに、右上座とはお内裏様側に立って右側のことなので、正面向かって左側がお内裏様なります。
その他の雛人形の飾り方
三人官女の飾り方
二段目には三人官女(さんにんかんじょ)を飾ります。
ひな壇に向かって左側から、三人が持っている持ち物が「提子(ひさげ)、島台(しまだい)、長柄(ながえ)」のお道具を持つ並びで三人官女を飾ります。
三人官女は、座っている官女が真ん中の位置になり、立っている官女が一人の場合は、立つ官女を真ん中に置いてください。
両側の官女が立っている場合、外側の脚が少し前に出ているので、左右どちらに置くか迷った際は目安にすると良いです。
五人囃子の飾り方
三段目には五人囃子(ごにんばやし)を飾ります。
ひな壇に向かって左側から、五人が持っている持ち物が「太鼓(たいこ)、大皮鼓(おおかわつづみ)、小鼓(こつづみ)、笛」の楽器を持つ並びで、扇を持つ謡い手が一番右端にくるように五人囃子を飾ります。
右大臣と左大臣の飾り方
四段目には右大臣と左大臣を飾ります。
ひな壇に向かって左側に右大臣を置き、右側に左大臣を置いて並べます。
右大臣と左大臣は「随臣(ずいじん)」と呼ばれ、お殿様とお姫様を守るという重要な役割があります。
また、右大臣は若者で左大臣は老人なので飾り付ける際の目安にもなりますね。
仕丁の飾り方
五段目には、仕丁(しちょう)を飾ります。
仕丁は、ひな壇の人形たちの中で唯一、庶民出身で宮廷の雑務や外出時の従者を務めており、別名を衛士(えじ)とも呼びます。
ひな壇に向かって左側から、仕丁が持っている持ち物が「台笠(だいがさ)、沓台(くつだい)、立傘(たちがさ)」の順番で飾ります。
これは、京都御所の掃除をしているためだと言われています。
また仕丁は、それぞれの表情から熊手を持った怒り上戸、塵取りを持った泣き上戸、箒を持った笑い上戸となっており、合わせて三人上戸とも呼ばれています。
お道具の飾り方
- 金屏風(きんびょうぶ)
- 桃の花を挿した三方飾り
- ぼんぼり
お内裏様(おだいりさま)とお雛様の後ろに金屏風を立て、両者の間に桃の花を挿した三方飾りを置き、二人の両脇にぼんぼりを飾ります。
- 高坏(たかつき)
- 桜餅や草餅
三人官女の間(二ヶ所)に高坏を置き、その上に桜餅や草餅などの季節の和菓子を供えます。
- 道具なし
三段目のお道具は特になく、五人囃子(ごにんばやし)のみを飾ります。
- 白酒
- 菱餅(ひしもち)
右大臣左大臣の隣(内側)に白酒を置き、さらに白酒の内側(中央)に菱餅を供えます。
- 橘の木
- 桜の木
ひな壇に向かって左側には橘の木を置き、右側には桜の木を置きます。
- 箪笥(たんす)
- 鋏箱(はさみばこ)
- 長持(ながもち)
- 鏡台
- 化粧道具
- 針箱
- 火鉢(ひばち)
- 茶の湯道具
小さめのお道具は、箪笥、鋏箱、長持、鏡台、化粧道具、針箱、火鉢、茶の湯道具といった順番で置くと良いでしょう。
- 御駕籠(おかご)
- 重箱
- 御所車(ごしょぐるま)
大きめのお道具は、御駕籠、重箱、御所車といった順番で置くと良いでしょう。
お雛様の飾り方は?実は関東と関西では飾り方に違いがある!?のまとめ
お雛様の飾り方について、参考になりましたでしょうか?
普段何気なく見ていた雛人形にも、地方によって飾り方が違うということを知って驚きました。
ただ、雛人形を作った人によっても並べ方が異なる場合もあるので、雛人形を買ったお店に並べ方を聞いてみるのもオススメです。
また、飾らなくなった雛人形の処分について、もう少し知りたい方は以下の記事も合わせて見てみてください↓↓↓
>>飾らなくなった雛人形はどうする!?処分の仕方とは?
雛人形を飾る時には、家族みんながよく集まるリビングなどの目立つところに置いて、ひな祭りを楽しくお祝いしましょう。