夏という暑い季節の旬の野菜にはいくつかありますが、夏野菜の一つであるゴーヤをご存知でしょうか?
暑い夏や残暑が厳しいときなど、夏バテにならないように効率良くバランスの取れた栄養素を摂れる野菜を選びたいですよね。
この記事では、ゴーヤについて解説していきます。
記事の内容
ゴーヤとは?
ゴーヤ
ゴーヤは、ウリ科ツルレイシ属のつる性の一年草で、原産地は熱帯アジアとなっていますが、その他の熱帯地域でも野性種が存在すると言われています。
ゴーヤは漢字で「苦瓜」と書くことから「にがうり」とも呼ばれ、ニガウリという名称からもわかるように、とても苦味が強い瓜で、実が完全に熟す前の未熟果を食用としています。
十分に完熟すると外の表面は黄色からオレンジ色に変わり、中の種を覆うかのように赤い色をしたゼリー状の仮種皮ができ、八百屋やスーパーなどで購入したゴーヤも常温でそのままにして置いておくと追熟して、黄色からオレンジ色に変わり、中の種を覆うように赤いゼリー状の仮種皮ができる場合もあるとのことです。
種の周辺の赤い所は糖度が増すことで、ネバネバした食感から種ゼリーという風に呼ばれ、種ゼリーをスイーツ感覚で食べる人もいるそうで、完熟した種子はダイエット効果も期待されているほどです。
ゴーヤの色の変化とともに果肉部分も柔らかくなるため、腐ってしまったと思って捨ててしまう場合もあるみたいですが、問題なく安心して食べることが出来ます。
ちなみに、ゴーヤといえば緑色のイメージが強いですが、これに関しては夏野菜のピーマンなどとと同じ様に、未完熟のうちに収穫されているからです。
少し前に、沖縄県で話題になった影響からゴーヤと呼ばれることが一般的になっていますが、他の呼び方もあるそうなので参考までに以下にまとめました↓↓↓
- 宮古島の場合:ゴーラ
- 奄美大島の場合:トーグリ
- 熊本県の場合:ニガゴーラ
このように、同じゴーヤでも地域によって様々な呼び方があるのは、知らなかった人も多いのではないでしょうか。
また、かつての日本では九州から沖縄の選ばれたエリアで数多く栽培されていたわけですが、比較的ゴーヤは病害虫に強く、日光や気候、たくさんの水さえある状況なら、肥料や農薬をぜんぜん使用しなくても収穫ができるため、ゴーヤを栽培するにあたり現在では、全国に拡大していくほど浸透していて、家庭菜園においても気軽に栽培されることが多い作物とされています。
ゴーヤの歴史
ゴーヤは、14世紀頃に中国の広い範囲へ伝わったと言われており、中国では花や根、種子を全部有効に生薬という形でも扱われ、喘息、腫瘍、皮膚感染、高血圧、糖尿病などに効果的であるとされていました。
沖縄(琉球王国)への伝来時期は明らかになっていないものの、1713年の琉球国由来記に苦瓜(にがうり)の記帳があるという理由から、その時代には既に伝わっていたのではないかと言われています。
その当時に伝来されたゴーヤは、野菜という認識よりも生薬としての使用が主流だったとする見解が有力とされ、沖縄だけに限らず九州でも栽培をしていたそうです。
その時代、琉球王国は本州よりも中国との関係があったため、食事をするということは健康を維持する薬といった様な考え方が定着していたとのことで、夏バテ予防などに効果的な薬効のある食べ物という形で多くの人々に親しまれていたようです。
その後、1990年代に入ってからゴーヤが日本国内に広まり、出荷が開始した頃はゴーヤ独特な癖のある味ゆえに、それほど興味を持たれませんでした。
しかし、長寿で有名な沖縄県の食べ物が注目されたり、沖縄ブームやテレビドラマの反響などにより、伝統的に沖縄で食べられていたゴーヤの知られざる栄養価が着目されるようになり、良く知られている食べ物の一つとしてランクインしました。
次第に、品種改良によりエグ味があまり無く、簡単に栽培ができる品種が作られたことで、普及率が高まっていったと言えるのではないでしょうか。
ゴーヤの栄養素とは?
ゴーヤの栄養素
ゴーヤの栄養素を以下にまとめました↓↓↓
ゴーヤ100gあたり
ゴーヤの代表的な栄養素の特徴をいくつかご紹介していきます↓↓↓
ビタミンCゴーヤに含まれているビタミンCの含有量はレモンの約2~4倍、キュウリやトマトの約3~5倍となっており、ビタミンCが豊富に入っています。
また、通常ではビタミンCが加熱されると壊れてしまいやすいのですが、ゴーヤに含まれているビタミンCは野菜の中で唯一加熱に強いという特性をもっています。
ゴーヤに含まれている食物繊維は、セロリーの約30倍となっており、現代の食生活で圧倒的に不足がちな栄養素の一つを、ゴーヤから摂取することができます。
ゴーヤに含まれているカルシウムの含有量は、牛乳の約14倍となっており、カルシウムの代表格ともいえる牛乳を超え、野菜からでもカルシウムをたっぷりと摂取することができます。
ゴーヤに含まれている鉄分の含有量は、ほうれん草の約2.3倍となっており、必須ミネラルの一つである成分をゴーヤから摂取することができます。
ゴーヤの栄養素を損なわせない方法
ゴーヤの苦味を取り除こうとすると一部、健康の効力が失われてしまうため、あまりゴーヤの苦味を無くそうとしない方が望ましいですが、これに関してはゴーヤを茹でる際も同様のことが言えるでしょう。
ゴーヤのビタミンCは野菜の中で唯一加熱に強いと栄養素の欄で記述しましたが、あくまでも加熱をしすぎないことが前提であり、結果的に加熱をしすぎてしまえば栄養素の約30%くらいが失われるため、やはり加熱のし過ぎや茹で過ぎには注意するように心掛けたいですね。
また、ゴーヤを塩で揉んで苦味を取り除くのも約30%くらい栄養素が減ってしまうそうなので、苦味を無くす方に重点を置くことよりは、調理する際の一緒に混ぜる他の具材や調味料などでマイルドさを出して、味の調整をしていった方が良いでしょう。
ゴーヤとは!?ゴーヤにはどんな栄養素が含まれているの?のまとめ
なんとなくゴーヤは体に良いのかなと思っていた人も、どんな栄養があるのか知らなかった人も参考になりましたでしょうか?
ゴーヤは栄養価の高い野菜なので、苦いものが得意でない人でも食べられるように、調理方法や食べ方を工夫して摂り入れたいですね。
栄養価の高いゴーヤを食べるなら、ゴーヤの選び方についても知っておきたいという方は、以下の記事も合わせて見てみてください↓↓↓
>>ゴーヤの上手な選び方とは!?ゴーヤの保存期間と効果的な保存方法
また近年、エコブームでゴーヤーを家の軒先に植え、グリーンカーテンと呼ばれる日除け対策などにもゴーヤを利用している人もいるほどです。
気候の変化や残暑も厳しい現代で、体調不良や夏バテしないためにもゴーヤを食べて暑い時期を乗り越えましょう。